「A Bo'o'wo'wa」。これが何のことか分かりますか?
アメリカ人が面白がって言う、イギリス発音の「A bottle of water」です。
まるで方言の違いのようですが、アメリカ英語とイギリス英語には、発音だけでなくスペル・単語・文法まで大きな違いがあります。
オットアメリカ英語とイギリス英語って、そんなに違うもの?何がどう違うのか知りたいな。



発音・スペル・単語・文法の4つに、はっきりした違いがあります。違いを知っているとリスニングもぐっと楽になりますよ。
- 発音が違う単語と聞き分けのコツ(R・T・母音・イントネーション)
- スペル・単語・文法の違いの一覧表
- 2つの英語が分かれていった歴史
現役の英語コーチである私が、面白い違いを例つきで紹介していきます。ぜひ最後まで見ていってくださいね。
【アメリカ英語】と【イギリス英語】発音が違う単語と聞き分けのコツ



発音の違いって、waterが「ウォラー」になるやつ?



そうです!代表的な違いは【R】と【T】の発音、それから母音の長さです。順番に見ていきましょう。
前提として、アメリカにはテキサス訛りやニューヨーク訛り、イギリスにはロンドン訛りやグラスゴー訛りなど、それぞれの国の中にも様々なアクセントがあります。
ここでは、一般的なアメリカ英語とイギリス英語を比較して説明していきます。
【R】の発音の違い
いちばん大きな違いは、【R】をどう発音するかです。
アメリカ英語は、どの位置にある【R】も舌を巻くようにはっきり発音します。
一方イギリス英語は、redやsorryのように母音の前にある【R】は発音しますが、carやparkのように母音の後ろにくる【R】はほとんど発音しません。
waterの最後の【R】も、アメリカ英語ではしっかり響かせますが、イギリス英語では発音しないので「ウォタ」のように聞こえます。
【T】の発音の違い
アメリカ英語では、母音に挟まれた【T】がラ行のような音に変わります。waterが「ウォラー」に聞こえるのはこのためです。
イギリス英語は逆に、【T】をはっきり発音するのが基本です。
outはとても分かりやすい例です。アメリカ英語では「アゥ(トゥ)」と最後の【T】をほとんど破裂させませんが、イギリス英語では「アゥトゥ」と最後まではっきり発音します。
ただし、ロンドンなどの話し言葉には、【T】を喉の奥で止める音(声門閉鎖音)に変えるスタイルもあります。
冒頭で紹介した「A Bo'o'wo'wa」は、まさにこの音です。bottle of waterの【T】が次々と喉で止まると、ああ聞こえるんですね。
【母音の長さ】の違い
darlingの発音を比べると、イギリス英語は「ダーリン」と「ダー」の部分が長くなります。アメリカ英語では「ダァリン」と短めに聞こえます。
bar・heard・caught・need・shoeなども、違いの分かりやすい単語です。アメリカ英語では母音がより短く聞こえることが多いですよ。
有名なのはcan'tの発音です。イギリス英語では「カーント」と母音が長く、アメリカ英語では「キャント」と発音します。
【イントネーション】の違い
音はかなり違う2つの英語ですが、言葉の構成は基本的に似ています。よく言われるのは、文全体の抑揚の違いです。
- イギリス英語:強調したい部分で音が上がり、そこから下がっていく
- アメリカ英語:文の後半を上がり調子で読む話し方(アップスピーク)が特徴的
もちろん個人差や地域差は大きいので、あくまで傾向として覚えておいてください。
実際の音で聞き比べたい方には、こちらの動画がおすすめです。イギリス人の発音をアメリカ人が面白おかしく茶化していて、短い動画で違いを実感できます。
【アメリカ英語】と【イギリス英語】スペルの違い一覧



colorとcolourって、どっちかがスペルミスじゃないの?



どちらも正解です。アメリカ英語とイギリス英語で、スペルの決まりが違うだけなんですよ。
スペルが違う英単語の一覧表
単語によっては、同じ単語でもスペルの綴りが少し変わります。代表的なパターンを表にまとめました。
| イギリス英語 | アメリカ英語 |
|---|---|
-oe- / -ae-(aeon, anaemia) | -e-(eon, anemia) |
-t(burnt, dreamt) | -ed(burned, dreamed) |
-ence(defence, licence) | -ense(defense, license) |
-ll-(travelled, cancelled) | -l-(traveled, canceled) |
-ise(realise, organise) | -ize(realize, organize) |
-l(enrol, fulfil) | -ll(enroll, fulfill) |
-ogue(catalogue, monologue) | -og(catalog, monolog) |
-our(colour, flavour, humour) | -or(color, flavor, humor) |
-re(centre, fibre) | -er(center, fiber) |
-y-(tyre) | -i-(tire) |
日本の学校では基本的にアメリカ英語のスペルを習うので、イギリス英語の綴りを初めて見るとびっくりしますね。
このスペルの違いは、あとで紹介する「アメリカの独立心」の現れでもあります。
アメリカでイギリス英語のスペルを使うのは間違い?
間違いではありません!
英語にはイギリス英語・アメリカ英語・カナダ英語・オーストラリア英語などがあり、どれも正しい英語です。
ただし、1つの文章の中ではどちらかのスペルに統一する必要があります。
アメリカの学校でイギリス英語のスペルを使うなら、すべてイギリス英語で統一すること。テストの前に、スペルの指定があるか先生に聞いておくと安心ですね。
【アメリカ英語】と【イギリス英語】単語(ボキャブラリー)の違い
ボキャブラリーの違いは、最も気づきやすい違いです。日常的に使われる何百もの単語に違いがあります。
イギリス英語の食べ物の単語には、フランス語などから入ってきたものもあります。
| 意味 | イギリス英語 | アメリカ英語 |
|---|---|---|
| なすび | aubergine | eggplant |
| パクチー | coriander | cilantro |
| ズボン | trousers | pants |
| アパート | flat | apartment |
| ボンネット | bonnet | hood |
| トランク | boot | trunk |
| 休暇 | holiday | vacation |
| ポテトチップス | crisps | chips |
| フライドポテト | chips | French fries |
| ソーダ | fizzy drink | soda |
| サッカー | football | soccer |
ポテトチップスとフライドポテトのように、同じ単語(chips)が国によって別の食べ物を指すこともあるので要注意です。
【アメリカ英語】と【イギリス英語】文法の違い



え、文法まで違うの!?



基本は同じなので安心してください。ただ、前置詞や時制の使い方などに、細かい違いがあるんです。
前置詞の違い
| イギリス英語 | アメリカ英語 |
|---|---|
I'm going to a party at the weekend. | I'm going to a party on the weekend. |
What are you doing at Thanksgiving? | What are you doing on Thanksgiving? |
Monday to Sunday. | Monday through Sunday. |
Call me on 123-4567. | Call me at 123-4567. |
I'm writing to Erika. | I'm writing Erika.(前置詞なし) |
これらの違いは一般的なルールです。ポップカルチャーを通してお互いに影響し合っているので、アメリカ人でもイギリス英語の前置詞を使う人はいます。
ただ、学校のテストでは間違いになることがあります。スペルと同じく、どちらかに統一しておきましょう。
過去形・現在完了の違い
| イギリス英語 | アメリカ英語 |
|---|---|
get – got – got | get – got – gotten |
I've not got any information about the cat. | I haven't gotten any information about the cat. |
I have just seen her. | I just saw her. |
Has she eaten yet? | Did she eat yet? |
まず、getの変化形が違います。過去分詞はアメリカ英語ではgotten、イギリス英語ではgotです。
gottenは古くからある形ですが、イギリス英語ではずいぶん昔に使われなくなりました。
最近起きたことを言うとき、アメリカ英語では【過去形】、イギリス英語では【現在完了】で表されることが多いです。
単数形・複数形(集合名詞)の違い
| イギリス英語 | アメリカ英語 |
|---|---|
My team are winning. | My team is winning. |
My family are coming to visit. | My family is coming to visit. |
The Neko are a famous band. | The Neko is a famous band. |
これは【集合名詞】に対する考え方の違いです。teamはチームなので、中には複数の人がいますよね。
イギリス英語はグループの中のメンバーたちを意識してareなどの複数扱い、アメリカ英語はグループというひとつの塊を意識してisなどの単数扱いにします。
規則動詞・不規則動詞の違い
| 原形 | イギリス英語 | アメリカ英語 |
|---|---|---|
leap | leapt | leaped |
dream | dreamt | dreamed |
burn | burnt | burned |
learn | learnt | learned |
spoil | spoilt | spoiled |
イギリス英語では、過去形が-tで終わる不規則な形になる動詞が多くあります。アメリカ英語では-edの規則変化が基本です。
この違いは、書き言葉になったときに特に分かりやすいですよ。
なぜ違う?【アメリカ英語】と【イギリス英語】の歴史



そもそも、なんで同じ英語なのにこんなに違いが生まれたの?



2つの英語の関係は、大阪弁と東京弁のようなもの。歴史を知ると、違いの理由が見えてきますよ。
英語がアメリカにやってきたのは16~17世紀。その頃の英語は、まだスペルが統一されていませんでした。
その後イギリスではサミュエル・ジョンソンが、アメリカではノア・ウェブスターという辞書編集者が、それぞれ英語の辞書を作りました。
- イギリス英語:サミュエル・ジョンソン『
A Dictionary of the English Language』 - アメリカ英語:ノア・ウェブスター『
A Compendious Dictionary of the English Language』
colour→colorのようなアメリカ英語のスペルは、このウェブスターの辞書が基礎になっています。



「文化的にもイギリスから独立したぞ!」という気持ちを見せるために、あえてスペルを変えたと言われています。
発音はどうでしょうか。実は、移民当初の英語は今のアメリカ英語のように【R】を発音していたと言われています。
その後イギリスでは、上流階級が【R】を発音しないスタイルを「他の人と区別するおしゃれな発音」として使い始めました。
民衆もそのおしゃれな発音をまねするようになり、最終的にイングランド南部では一般的な発音になったんです。
リスニング対策には様々な発音に触れるのが近道
日本の学校では、基本的にアメリカ英語を習います。リスニング教材もアメリカ英語が中心ですね。
しかし世界を見渡せば、英語を話しているのはアメリカ人だけではありません。
実際、TOEICのリスニングでも、アメリカ英語だけでなくイギリス英語やオーストラリア英語など、複数の国の発音が使われています。
TOEIC向けの学習をすると、気軽に様々な発音に触れられるので耳が鍛えられますよ。TOEIC対策アプリは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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まとめ|違いを知ればリスニングが楽になる



ここまでお疲れ様でした!最後に、今日の違いをまとめておきますね。
- 発音:アメリカは【R】を響かせ、イギリスは母音の後の【R】を発音しない
- 【T】:アメリカはラ行のような音に、イギリスははっきり発音(口語では喉で止める音も)
- スペル:
colour/color、centre/centerなど体系的な違いがある - 単語:
trousers/pantsのように、同じ物を別の単語で呼ぶことが多い - 文法:前置詞・現在完了・集合名詞・不規則動詞に細かい違いがある
アメリカ英語とイギリス英語の違いは、優劣ではなく個性です。
違いを知っておくと、映画やリスニング試験で「聞き取れない!」と焦ることが減ります。ぜひ聞き比べを楽しんでみてくださいね。
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