ビジネス英語のニュースや会議で、直訳しても意味がわからない言い回しに出会ったことはありませんか。
実はそうした熟語の多くが、スポーツやカードゲームの世界から生まれています。
オットえ、below the beltとかthrow in the towelって、スポーツと関係あったの…?



はい、どちらもボクシング由来の表現です。由来を知ると、意味がぐっと覚えやすくなりますよ。
この記事では、スポーツやゲームから生まれた英熟語10個を、由来ごとに整理してご紹介します。
ビジネスの会議やニュース記事にもよく登場する表現なので、知っておくと読解・リスニングのスピードが変わってきます。
- カードゲーム(ポーカー)由来の英熟語4つ
- 球技由来の英熟語2つ
- ボクシング由来の英熟語3つ
- クリケット由来の英熟語1つ
カードゲーム(ポーカー)から生まれた英熟語



スポーツ熟語の中でも、カードゲーム由来のものがいちばん多そうだね。



その通りです。ポーカーは心理戦の要素が強いので、ビジネスの駆け引きにたとえやすいんですよね。
keep one’s cards close to one’s chest(手の内を明かさない)
ポーカーで自分の手札を相手に見せないよう、胸元に引き寄せて持つ動作からできた表現です。
I kept my cards close to my chest during the negotiation.(交渉中は手の内を明かさなかった。)
poker-faced(無表情な)
相手にカードの良し悪しを悟られないよう、表情を変えないことから生まれました。
The client stayed poker-faced through the entire pitch.(クライアントはプレゼンの間ずっと無表情だった。)
play one’s trump card(切り札を使う)
trumpはカードゲームで最も強い札のこと。ここぞという場面で最強の手段を使う、という意味です。
The CEO played his trump card by offering a special discount.(CEOは特別割引を提示するという切り札を使った。)
hold all the cards(主導権を握っている)
強いカードをすべて持っている、つまり交渉で圧倒的に有利な立場にいることを表します。
The landlord holds all the cards in this negotiation.(この交渉では大家が主導権を握っている。)
keep one's cards close to one's chest:手の内を明かさないpoker-faced:無表情なplay one's trump card:切り札を使うhold all the cards:主導権を握っている
球技から生まれた英熟語



野球とかアメフトから来た表現もあるの?
あります。ball gameという単語自体が、状況を表す比喩としてよく使われます。
a whole new ball game(まったく新しい状況)
野球の試合ごとに状況が変わることから、「これまでとは全然違う状況」を表す言い方として定着しました。
Expanding overseas is a whole new ball game.(海外展開はこれまでとはまったく違う話だ。)
play hardball(強気の姿勢で臨む)
hardballは硬球、つまり本格的な野球のこと。手加減せず本気で臨む姿勢を表します。
Our competitor is playing hardball on pricing.(競合他社は価格交渉で強気の姿勢を崩さない。)



どちらも「これまでの前提が通用しない」というニュアンスが共通していますね。
ボクシングから生まれた英熟語



さっき出てきたbelow the belt、詳しく知りたい!
not pull any punches(遠慮せずはっきり言う)
ボクシングでパンチを手加減しない、つまり率直に厳しいことも伝える様子を表します。
The report didn't pull any punches about the delay.(その報告書は遅延について率直に指摘していた。)
below the belt(卑怯な、不公平な)
ボクシングではベルトより下(腰から下)への攻撃が反則とされていることに由来します。
Bringing up his personal life in the meeting was below the belt.(会議で彼の私生活を持ち出すのは卑怯だった。)
throw in the towel(負けを認める、諦める)
セコンドが試合続行を諦めるとき、リングにタオルを投げ入れることに由来します。
We decided to throw in the towel on the project.(私たちはそのプロジェクトから撤退することにした。)
not pull any punches:遠慮せずはっきり言うbelow the belt:卑怯な、不公平なthrow in the towel:負けを認める、諦める
クリケットから生まれた英熟語
最後にもうひとつ、イギリス英語で特によく使われる表現を紹介します。
knocked for six(大きな衝撃を受けた)
クリケットで打球をスタンドまで運ぶ最大得点「シックス」を打たれる、つまり大打撃を受けることに由来します。
The news knocked us for six.(そのニュースには本当に衝撃を受けた。)



クリケットはアメリカではあまりなじみがないので、イギリス英語のニュースや小説でよく出会う表現です。
よくある質問
Q. これらの熟語はビジネスメールでも使っていい?
カジュアルな響きのものが多いので、フォーマルな文書よりも会議中の発言や雑談で使うのがおすすめです。
Q. 効率よく覚えるコツは?
由来のエピソードとセットで覚え、例文を声に出して読むと記憶に残りやすくなります。
ニュース記事や海外ドラマで実際に使われている場面に出会うたびにチェックしていくのも効果的です。
まとめ
スポーツやゲームから生まれた英熟語は、由来を知ると意味のイメージがつかみやすくなります。
- カードゲーム由来:
keep cards close to chest/poker-faced/trump card/hold all the cards - 球技由来:
a whole new ball game/play hardball - ボクシング由来:
not pull any punches/below the belt/throw in the towel - クリケット由来:
knocked for six - 由来のエピソードとセットで覚えると定着しやすい
知らないと直訳で戸惑ってしまう表現ばかりですが、由来がわかれば意外とシンプルです。
ニュースや会議で見かけたときに「あ、これ知ってる」と思える熟語を、少しずつ増やしていきましょう。



受講生さんにも、まずは3つだけ選んで実際に使ってみることをおすすめしています。使ってみると忘れにくくなりますよ。
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