発音の練習をしているのに、実際に良くなっているのかどうか、自分ではよく分からない。そんな感覚を持ったことはありませんか。
実はこれ、練習量が足りないからではなく、そもそも「自分の発音は自分の耳では正確に判断できない」という理由があります。
オット発音の練習をしても、自分じゃ全然できてるか分からないんだよね。



それ、感覚のせいじゃなくてちゃんとした理由があるんです。今日は録音を使って自分の発音を客観視する方法を整理しますね。
- 自分の発音を自分の耳で正確に判断できない理由
- 録音チェックの基本ステップ
- 何を基準に聞き比べればいいか
- 録音チェックを無理なく習慣にするコツ
なぜ自分の発音は自分の耳では正確に判断できないのか



練習中は「言えてる気がする」のに、録音を聞くと全然違って聞こえることがあるんだけど、あれは何なの?



それ、みなさん経験することなんです。実は自分の声の聞こえ方には、ちゃんとした仕組みがあります。
私たちが自分の話し声を聞くとき、実は2種類の音が混ざって聞こえています。
空気を伝わって耳に届く「気導音」と、声帯の振動が頭蓋骨を通じて直接耳に伝わる「骨導音」の2つです。
骨導音は自分にしか聞こえない音で、低い周波数が強調されるため、自分の声は実際より低く太く感じられます。
一方、録音された声や他人が聞いている自分の声は気導音だけなので、自分が普段感じている声とは別物に聞こえます。
つまり、発音の練習中に「できている」と感じる感覚そのものが、そもそも他人の耳に届いている音とズレているのです。
だからこそ、発音を正確に確認したいときは、自分の感覚だけに頼らず、録音して確かめる作業が欠かせません。
録音チェックの基本ステップ



じゃあ、録音チェックって具体的にどうやるのが正解なの?



私が指導するときは、だいたいこの4ステップで進めています。
ステップ1:練習する一文を1つ決める
教材やニュース、映画のセリフなど、お手本の音声がある短い一文を1つ選びます。
欲張って長い文章を選ぶと、どこが良くなかったのか分かりにくくなるので、最初は1文で十分です。
例えばI'm really looking forward to it.(本当に楽しみにしています)のような、日常会話でそのまま使える一文がおすすめです。
短い文でも、単語同士のつながりや強弱をきちんと確認できるので、練習の素材としては十分です。
ステップ2:スマホのボイスメモで録音する
スマートフォンの標準ボイスメモ機能で十分です。特別な機材を買いそろえる必要はありません。
お手本の音声を1〜2回聞いてから、同じ一文を声に出して録音してみましょう。
ステップ3:時間を置いてから聞き返す
録音した直後は「今言ったばかり」という記憶が新しいままなので、粗さに気づきにくいものです。
半日から1日ほど時間を置いてから聞き返すと、初めて聞くときに近い感覚で確認でき、気になる部分に気づきやすくなります。
ステップ4:お手本の音声と聞き比べる
自分の録音とお手本の音声を交互に聞き、違いが大きい部分をもう一度練習してから再録音します。
この1〜4を1つの文章に対して数回繰り返すだけで、自分がどこでつまずいているのかが具体的に見えてきます。
何を基準に聞き比べればいいか



聞き比べても、ネイティブの音とはやっぱり違って聞こえて、落ち込んじゃうんだけど。



実は、目指す基準を「ネイティブそっくりの音」に置く必要はないんです。
録音チェックで確認したいのは、ネイティブと寸分違わない音になっているかどうかではありません。
「相手にきちんと伝わる音になっているか」を基準にすると、チェックの目的がぐっとはっきりします。
この「通じる発音」という考え方については、発音の目標をどこに置くかをまとめた記事で詳しく解説しています。
録音を聞き返すときは、次の3点を意識してチェックしてみてください。
- 文の中で一番伝えたい単語を、はっきり強く読めているか
- 語尾の子音(
tやdなど)が不自然に強く出すぎていないか - 単語ごとにブツブツ切れず、全体がひとつのリズムでつながっているか
また、単語同士のつながり方が気になる場合は、リエゾン(連音)の練習法も合わせて確認しておくと、フレーズ全体の自然さを録音でチェックしやすくなります。
録音チェックを無理なく習慣にするコツ
録音チェックは、1回で完璧を目指すよりも、短時間を継続するほうが効果を感じやすい練習です。
1日5分、決まったタイミング(通勤前や寝る前など)に固定してしまうと、続けやすくなります。
同じフレーズを1週間ほど録音し続けて、最初の録音と最後の録音を聞き比べてみるのもおすすめです。
1日ごとの変化は分かりにくくても、1週間分をまとめて聞き比べると、自分の成長がはっきり感じられます。
録音ファイルはそのまま残しておき、日付ごとにフォルダやメモアプリで整理しておくと、あとから聞き比べるときに便利です。
数か月分の録音がたまると、自分では気づきにくかった成長の跡が、はっきりと形に残ります。



録音を聞き返すのは最初は少し恥ずかしいものですが、それこそが上達への一番の近道です。



今日の帰り道にでも、1文だけ録音してみようかな。
まとめ:録音は自分の発音を客観視する一番の近道
自分の声は、自分の耳と他人の耳とでは聞こえ方そのものが違います。だからこそ、感覚だけに頼らず録音で確かめることに意味があります。
- 自分の声は骨導音込みで聞こえるため、録音された声とは別物に感じる
- 録音→時間を置く→聞き比べ→再練習の4ステップで進める
- 基準は「ネイティブそっくり」ではなく「相手に伝わるか」
- スマホのボイスメモで十分、1日5分から習慣にする
まずは好きな一文を1つ選んで、今日の練習を録音してみてください。
半日後に聞き返すところまでが、1セットです。
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