「TOEICのスコアは伸びているのに、実際の会話ではうまく話せない」という悩みを、指導の現場でよく耳にします。
スコア対策の勉強を積み重ねているのに、なぜこのギャップが生まれるのでしょうか。
オットTOEICの勉強って、そのまま英会話にもつながるものだと思ってた。



実はTOEIC対策だけに偏ると、見落としやすい落とし穴が3つあります。今日はそれを整理していきますね。
- TOEIC対策だけに偏った勉強で起きやすい3つの落とし穴
- TOEICを勉強の「ペースメーカー」として使う考え方
- スコアと実践的な英語力を両方伸ばすための工夫
TOEIC対策だけに偏ると起きやすい3つの落とし穴
TOEICはリスニング・リーディングの力を測る優れた指標ですが、TOEICのスコアを取ることだけを目的に勉強を続けると、いくつかの偏りが生まれやすくなります。
落とし穴1:ビジネス寄りの限られた英語力しか身に付かない
TOEICで扱われる英語は、オフィスや出張、契約といったビジネスの特定の場面に偏っています。
そのため、日常のカジュアルな会話で使う表現には、TOEIC対策だけではなかなか触れる機会がありません。
例えばHow's it going?(調子どう?)のような、ネイティブが日常的に使うシンプルな一言も、TOEICの問題文にはほとんど出てきません。
落とし穴2:「解ける」と「話せる」のギャップが広がる
英語を勉強する本来の目的は、英語で人とコミュニケーションを取ることのはずです。
ところがTOEIC対策の勉強は、問題形式に慣れることが中心になりがちです。
例えば「締切はいつですか?」を英語でとっさに言えるかどうかは、コミュニケーションを意識した練習をしてきたかどうかで差が出ます。
ちなみにこの表現はWhen is the deadline?とシンプルに言えます。
読む・聴くための練習ばかりを続けていると、こうした「話す・書く」場面への対応力が育ちにくくなります。
落とし穴3:スコアが頭打ちになりやすい
TOEICはリスニングとリーディングに特化した試験で、スピーキングやライティングの力までは測っていません。
そのため、TOEIC形式の問題演習だけを繰り返していると、ある段階からスコアの伸びが鈍くなることがあります。
読む・聴く力の土台となる語彙力や文章を理解する力そのものを底上げしない限り、問題形式への慣れだけでは限界が来やすいのです。
- ビジネス寄りの英語に偏り、日常会話の表現に触れにくい
- 問題演習が中心になり、話す・書く力が育ちにくい
- 4技能のうち2技能しか測らないため、スコアが頭打ちになりやすい
TOEICの英語と日常会話の英語は、そもそも別物
落とし穴を防ぐには、TOEICで出てくる英語と、日常会話で使う英語の違いを知っておくことが役立ちます。
TOEICの問題文は、会議・出張・発注・人事異動といったオフィス寄りの場面が中心です。
一方で、友人との雑談や旅行先での会話では、もっとくだけた短い表現がよく使われます。
例えば「大丈夫?」は、TOEICの文章ではAre you all right?のように丁寧な形で出てきますが、友人同士の会話ではYou okay?で十分です。
「マジで?」に近いニュアンスのNo way!やSeriously?も、TOEICの問題文にはほとんど登場しません。
こうしたカジュアルな表現は、TOEIC対策だけを続けていても自然には身に付かないということを、頭の片隅に置いておいてください。
TOEICを「ゴール」ではなく「ペースメーカー」として使う



じゃあTOEIC対策をすること自体は、あまり意味がないってこと?



いいえ、TOEICへの取り組み自体は悪いことではありません。位置づけを変えるだけで、勉強の効果はぐっと変わります。
TOEICのスコアは、就職や転職、社内評価の場面でも使われる、わかりやすい客観的な指標です。
ですので、勉強のモチベーションを保つための「中間目標」として活用するのは、とても理にかなっています。
大切なのは、TOEICのスコアを最終ゴールにしてしまわないことです。
私自身、英検1級とTOEICのスコアを保持していますが、点数そのものよりも「その英語力で何ができるか」のほうを、いつも受講生には意識してもらうようにしています。
TOEICで高いスコアが取れても、話す・書く力が伴っていなければ、実際のコミュニケーションでは通用しない場面が出てきます。
逆に、スコアがそこまで高くなくても、実践的なコミュニケーション力がしっかり育っている人もいます。
点数だけでは、その人の英語力の全体像はわからないということです。
スコアと実践力を両方伸ばすための工夫



スコアも実際の会話力も、両方伸ばすにはどうすればいいの?



TOEIC対策の勉強に、コミュニケーションを意識した練習を意図的に混ぜていくのがおすすめです。
1つ目は、TOEICの問題文で覚えた表現を、実際に声に出して使ってみることです。
読んで理解できた文でも、自分の口から出せるかどうかは別の力です。
音読やシャドーイングで、インプットした表現をアウトプットする練習まで一緒に行いましょう。
2つ目は、オンライン英会話などを使って、TOEIC対策と並行して話す機会を意識的に作ることです。
週に数回でも、実際に相手と英語でやり取りする時間があると、TOEICで覚えた表現が「使える表現」に変わっていきます。
3つ目は、TOEIC対策の合間に、映画やドラマ、洋楽など、カジュアルな英語に触れる時間も確保することです。
ビジネス英語だけでなく日常表現にも触れておくことで、英語力に偏りが出にくくなります。



TOEIC対策の時間を減らす必要はありません。使い方に「話す・書く」を少し足してあげるイメージです。
まとめ:TOEICを勉強の目的にしすぎないことが大切
TOEIC対策だけに偏った勉強を続けると、表現の偏り・話す力の伸び悩み・スコアの頭打ちという3つの落とし穴に陥りやすくなります。
- TOEIC対策だけでは、ビジネス寄りの限られた英語力しか身に付きにくい
- 問題演習中心の勉強は「解ける」と「話せる」のギャップを広げやすい
- TOEICは2技能のみを測る試験のため、スコアが頭打ちになりやすい
- TOEICは最終ゴールではなく、勉強の「ペースメーカー」として使う
- 音読・オンライン英会話・カジュアルな英語への接触を組み合わせるとバランスが取れる
スコアを取ることと、実際に使える英語力を育てることは、どちらも大切な両輪です。
今の勉強がどちらかに偏りすぎていないか、一度振り返ってみてください。
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