英単語をどれだけ覚えても、いざ会話になると出てこない。そんな経験はありませんか。
実は、英語を話すために必要な単語の数は、思っているよりずっと少なくて済みます。
今回は、その根拠になっている考え方と、限られた語彙を使いこなすための3つのコツを、現役の個人英語コーチがご紹介します。
オット単語帳を1冊やり切っても、結局知らない単語ばかりで会話が止まっちゃうんだよね。



それ、単語の「数」を追いかけすぎているのかもしれません。少ない単語で話せるようになる考え方を、一緒に整理していきましょう。
- 英語を話すのに必要な単語が少なくて済む理由
- 中学レベルの語彙でどこまで話せるか
- 語彙を増やすより優先すべき3つのコツ
- 句動詞を使いこなすメリット
英語を話すのに必要な単語は、実はそれほど多くない



そもそも何語くらい知っていれば、会話ができるようになるの?



実は「850語」という数字を提唱した言語学者がいるんです。
C.K.オグデンが提唱した「Basic English」という考え方
イギリスの言語学者チャールズ・ケイ・オグデンは、1926年から1930年にかけて、英語の語彙を850語にまで絞り込んだ「Basic English」という体系を考案しました。
1930年に刊行された著書Basic English: A General Introduction with Rules and Grammarの中で発表されたもので、名詞600語・形容詞150語・残り100語の基本動詞や前置詞などの機能語で構成されています。
動詞にいたっては、わずか18語しか使いません。makeやget、putのような基本動詞を組み合わせることで、多くの動作を表現できるという考え方です。
もともとは、母語の異なる人同士が円滑にやり取りするための国際補助言語として考案されたものです。
オグデンが同僚のI.A.リチャーズと1923年に発表した意味論の著書The Meaning of Meaningの理論が、その土台になっています。
これはあくまで理論上のモデルで、850語だけで日常会話のすべてがまかなえるという意味ではありません。
ただ、「知っている単語を少数精鋭で使い回す」という発想そのものは、今の英語学習にもそのまま生かせます。
中学レベルの語彙でも、実は相当なことが話せる
現在の学習指導要領(2021年度改訂)では、中学校で新たに学ぶ英単語は1600〜1800語程度とされています。
小学校で学ぶ600〜700語と合わせると、中学卒業までに2500語前後にふれる計算になると報じられています。
これだけの語彙があれば、日常会話や旅行、簡単なビジネスのやり取りまで、実はかなりの範囲をカバーできます。
問題は語彙の「量」ではなく、知っている単語をどれだけ会話の中で使いこなせているかという「運用力」の方なのです。
語彙を増やすより優先したい3つのコツ



じゃあ、新しい単語を覚えるのはもうやめた方がいいの?



やめる必要はありませんが、覚え方の優先順位を変えるだけで会話力は変わりますよ。
1. 似た意味の単語を全部覚えようとしない
英単語には、意味がほとんど同じでも「話し言葉」「書き言葉」「かたい表現」で使い分けられているものが多くあります。
例えばshouldとought toはほぼ同じ意味ですが、shouldは話し言葉、ought toはよりかたい表現として使われます。
会話力を伸ばしたいなら、まずは話し言葉として使われる方を優先して覚え、かたい表現は後回しにして構いません。
似たような単語を同時に3つも4つも覚えようとすると、逆にどれも定着しにくくなってしまいます。
2. 動詞と形容詞を優先して覚える
品詞の中でも、会話の理解や表現に直結しやすいのは「動詞」と「形容詞」です。
新しい単語を覚えるとき、この2つの品詞を優先すると、会話の中で使える場面が一気に増えます。
「あの単語、なんて言うんだっけ」と会話中に感じた回数が多い単語ほど、自分にとっての優先度が高い単語だと考えてよいでしょう。
逆に、使う場面を思い浮かべられない単語は、無理に覚えても記憶から抜け落ちていくものです。



レッスンをしていても、単語量そのものより「知っている動詞をどう使い回すか」で伸びる方の方が多い印象です。
3. 句動詞(Phrasal Verb)を覚えて表現の幅を広げる
句動詞とは、look for(探す)やmove out(引っ越す)のように、「動詞+副詞」または「動詞+前置詞」の組み合わせで特別な意味を持つ表現です。
句動詞は、まったく新しい単語を覚える必要がなく、すでに知っている簡単な単語の組み合わせだけで成立するのが特徴です。
take place(起こる)のように、句動詞を知っているだけでネイティブらしい自然な言い回しに近づけます。
すべてを一気に覚えようとせず、実際の会話や映画・洋楽などでよく見かける組み合わせから少しずつ増やしていくのがおすすめです。
単語の意味だけを丸暗記するのではなく、どんな場面で使うのかとセットで覚えると定着しやすくなります。
覚えた単語を会話で使い回すための実践ステップ



優先順位はわかったけど、覚えた単語を実際に話せるようにするにはどうしたらいいの?



「覚える」で終わらせず、「言い換える」練習までセットにするのがポイントです。
使う場面をイメージしてから覚える
単語だけを単独で覚えるのではなく、「自分ならこの単語をどんな場面で使うか」を先に考えてみましょう。
例文ごと、あるいは自分の生活に置き換えた一文ごと覚えると、実際の会話で単語が出てきやすくなります。
知らない単語は「知っている単語」で言い換える
会話中に単語が出てこないときは、無理に思い出そうとせず、知っている単語で言い換える練習をしてみてください。
例えばumbrellaが出てこなくても、a thing you use when it rains(雨のときに使うもの)と言えば十分に伝わります。
この「言い換える力」こそ、Basic Englishが目指した「少ない単語を組み合わせて表現する」という発想そのものです。
単語が止まるたびに会話自体を諦めてしまうのではなく、まずは知っている単語で乗り切る癖をつけましょう。
覚えた単語は声に出して定着させる
目で見て覚えた単語は、実際に声に出してみるまで「使える単語」にはなりません。
短い例文でよいので、覚えた単語を使って自分で文章を作り、声に出して言ってみる習慣をつけてみてください。
まとめ



今日の内容、最後にまとめてもらえる?



はい、整理しますね。
- 英語を話すのに必要な単語数は思ったより少ない
- C.K.オグデンの「Basic English」は850語で構成される体系
- 似た意味の単語は話し言葉を優先して覚える
- 動詞・形容詞を優先し、句動詞で表現の幅を広げる
単語帳のページ数を増やすことよりも、知っている単語をどれだけ会話の中で使い回せるかの方が、英語が話せるようになる近道です。
覚える単語の優先順位を少し変えるだけでも、会話でのアウトプットのしやすさは大きく変わってきます。
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