「毎日英語の勉強をしているのに、なかなか話せるようにならない」と感じたことはありませんか。
実はそれ、練習の「量」ではなく「質」に原因があるケースが少なくありません。
この記事では、心理学者アンダース・エリクソン氏が提唱した「deliberate practice(意図的な練習)」という考え方を、英語学習にどう応用できるかご紹介します。
オット毎日机に向かって勉強しているのに、全然話せるようになった気がしないんだよな。



それは、勉強の「量」はこなせていても「質」が伴っていないのかもしれません。今日はその見分け方を一緒に整理していきましょう。
- deliberate practice(意図的な練習)とは何か
- 「量をこなす練習」との違い
- deliberate practiceの4つの条件
- スピーキング・ライティング・リスニングへの応用例
- 独学でフィードバックを作る工夫
「量をこなす練習」とdeliberate practiceの違い



そもそも「意図的な練習」って、普通の練習と何が違うの?



同じ作業を繰り返すだけの練習と、弱点を狙って意識的に組み立てる練習の違いだと考えるとわかりやすいですよ。
心理学者アンダース・エリクソン氏らは1993年、ベルリン音楽アカデミーのバイオリニストを対象にした研究を発表しました。
この研究では、演奏の実力差が生まれ持った才能ではなく、意識的に設計された練習をどれだけ積み重ねたかによって生まれると結論づけられています。
ここで言う「意識的に設計された練習」が、deliberate practice(意図的な練習)と呼ばれるものです。
ただ時間をかけて反復するだけの練習とは、目的も組み立て方もまったく違います。
deliberate practiceの4つの条件
エリクソン氏の定義では、deliberate practiceには4つの条件があるとされています。
- 特定の弱点・課題を狙って設計されたタスクであること
- 専門知識を持つ指導者が課題の内容を設計していること
- 結果をすぐに修正できるフィードバックがあること
- 「今の実力より少し上」のレベルで反復できること
特に重要なのが「フィードバック」です。
自分の演奏や発話が改善しているかどうかを確認できなければ、いくら繰り返しても実力は伸びにくいとされています。
「量をこなせば上達する」というよくある誤解



でも、練習を続けていればいつかは伸びるものなんじゃないの?



ある程度までは伸びますが、同じレベルの練習を繰り返しているだけだと、途中で伸びが止まってしまうことがよくあります。
すでにできることを繰り返す練習は、体に負荷がかからないため、居心地は良くても新しい成長にはつながりにくいものです。
例えば知っている単語だけを使って会話を続けても、話す速度は多少上がるかもしれませんが、語彙や表現の幅そのものは広がりません。
伸び悩みを感じたときほど、量を増やす前に「今の練習が本当に弱点を狙えているか」を見直す価値があります。
4条件を英語学習に当てはめる



音楽やスポーツの話はわかったけど、英語学習だとどう活かせばいいの?



スピーキング・ライティング・リスニング、それぞれで具体的に見ていきましょう。
スピーキング練習に応用する
「とにかく話す」のではなく、自分が言い間違えやすい文法や表現を1つ決めて、それだけを使うテーマで話す練習が効果的です。
例えば過去形の言い間違いが多いなら、昨日あったことだけを話すというように、狙いを絞り込みます。
ライティング練習に応用する
テンプレートを丸暗記するのではなく、自分がよく間違える前置詞や冠詞に絞って、添削を受けながら修正していく方法です。
同じ間違いを指摘され続けている表現があるなら、それこそが今のあなたにとっての「弱点」です。
リスニング練習に応用する
聞き流すのではなく、聞き取れなかった箇所を書き起こす「ディクテーション」を行うと、自分がどの音を聞き取れていないのかがはっきりします。
書き起こした後にスクリプトと照らし合わせることが、そのままフィードバックになります。
独学でフィードバックを作る工夫



指導者がいないと難しそうだけど、独学でもできるのかな。



独学の一番の壁は、まさにそのフィードバックの部分です。ですが、代わりになる手段はいくつかありますよ。
自分の発話を録音して聞き返すだけでも、話しているときには気づかなかった癖が見えてきます。
オンライン英会話の講師に「この文法だけを直してほしい」と具体的にリクエストすれば、限られたレッスン時間でも狙ったフィードバックが得られます。
スマートフォンの音声認識機能を使い、自分の発音した英文が正しく文字に変換されるかどうかを確かめる方法も、簡易的なフィードバックとして活用できます。
大切なのは、フィードバックをもとに次の練習で同じ弱点を意識し直すことです。
deliberate practiceについてよくある質問
1日にどれくらいの時間、実践すればいいですか?
時間の長さよりも、1回の練習で狙う弱点を1つに絞れているかどうかが重要です。
短時間でも狙いが明確な練習は、長時間の漠然とした練習より効果を感じやすくなります。
弱点がどこかわからない時はどうすればいいですか?
まずは自分の発話や英作文を記録し、同じ間違いが繰り返されていないかを見返してみてください。
指導者や講師に「最近つまずいているところはどこですか」と直接聞いてしまうのも近道です。
まとめ:練習時間より「狙いを絞る」意識を
deliberate practiceは、ただ時間をかけて反復するだけの練習から一歩進み、弱点に的を絞り、フィードバックを得ながら、今の実力より少し上のレベルで繰り返す練習法です。
「今日は何時間勉強したか」ではなく「今日はどの弱点を狙ったか」を意識するだけで、同じ時間の使い方が大きく変わってきます。



次の学習時間は、漠然と量をこなすのではなく、狙いを1つだけ決めてから始めてみてくださいね。
- deliberate practiceは弱点を狙い、フィードバックを得ながら反復する練習法
- スピーキング・ライティング・リスニングそれぞれで弱点を1つに絞ると効果的
- 独学では録音・添削依頼・音声認識でフィードバックを代用できる
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