「It is ~ to …」と「It is ~ that …」、形がそっくりで混乱していませんか?
どちらも英文でよく見かけるのに、いざ訳そうとすると手が止まってしまう。そんな方はとても多いんです。
オットIt is ~ to …とIt is ~ that …の使い分けが分からないんだけど…。違いって何?



実はシンプルなルールがあるんです。例文を見ながら整理すれば、一発で見分けられるようになりますよ。
- It to構文とIt that構文の違いと使い分けのルール
for 人・of 人が入るときの意味の変化- そっくりな形の「強調構文」を見分けるコツ
現役の英語コーチである私が、つまずきやすいポイントを例文つきで解説していきます。
「It to構文」と「It that構文」の違いを早見表で整理
2つの構文はどちらも、Itを仮の主語として文頭に置く「形式主語構文」です。
このitは「それ」とは訳しません。It is 8 o'clock.(8時です)のitと同じで、意味を持たない形式的な主語です。
違いは「後ろに続く形」にあります。まずは全体像を表で確認しましょう。
| 構文 | 形 | 訳し方 |
|---|---|---|
| It to構文 | It is+形容詞+to+動詞の原形 | 「…することは~だ」 |
| It that構文 | It is+形容詞・名詞+that+完全な文 | 「SがVすることは~だ」 |
| 強調構文 | It is+名詞・副詞+that+不完全な文 | 「~こそ…だ」 |
ここから、1つずつ例文で確認していきます。
It is ~ to構文の使い方|本当の主語は「to以下」



It is ~ to ~はどう使えばいいの?



「…することは~だ」と訳す構文です。ポイントは、to以下が本当の主語だという点ですね。
基本の形と訳し方
基本の形は「It is+形容詞+to+動詞の原形」です。
It is useful to have an identification card.
(身分証明書を持っていると便利です)
「身分証明書を持っていること」=to以下が、文の本当の主語になっています。
To have an identification card is useful.のように、to以下をそのまま主語にすることも文法的には可能です。
ただ、英語は長い主語を嫌う言語です。そのため、仮のitを先に置いて、本当の主語を後ろに回すのが一般的なんですね。
押さえておきたい不定詞のはたらき
to構文を理解するカギは、不定詞(to+動詞の原形)です。
不定詞は、本来なら長くなる表現を短く圧縮できる便利な形です。
①I bought a book so that I might learn about linguistics.
②I bought a book to learn about linguistics.
(言語学について学ぶために、本を買いました)
①のso that I might learnの部分を、②ではto learnのたった2語に圧縮しています。
また、不定詞には「未来のこと」「可能性のあること」を表す性質があります。
want(~したい)やintend(~するつもりだ)のような、未来の行動につながる動詞と相性が良いのはこのためです。
It is ~ for 人 to構文|「人にとって」を加える
「誰にとって」なのかを示したいときは、toの前にfor+人を入れます。
訳は「(人)が…することは~だ」となります。
It is impossible for us to climb the wall.
(私たちが壁を登るのは不可能です)
It is ~ of 人 to構文|人の性質を表す
It isの後ろに人の性質を表す形容詞が入る場合は、forではなくof+人の形を使います。
kind(親切だ)・nice(優しい)・cruel(残酷だ)・foolish(愚かだ)・good(善良だ)などが代表例です。
It is nice of you to keep the door open.
(あなたがドアを開けておいてくれるのは優しい)
It is foolish of him to drink too much.
(彼が飲み過ぎるなんて愚かだ)



forとofの使い分けは、「形容詞が人の性質を表しているかどうか」で判断するのがコツですよ。
It is ~ that構文の使い方|thatの後ろは完全な文



It is ~ that ~のほうは、どう考えればいいの?



考え方はto構文と同じで、that以下が本当の主語です。大きな違いは、thatの後ろに「完全な文」がくることですね。
基本の形と訳し方
基本の形は「It is+形容詞・名詞+that+S+V」です。訳は「SがVすることは~だ」となります。
thatの後ろには、主語と動詞がそろったそのまま独立できる完全な文が入ります。
It is a fact that cats have small paws.
(猫の手が小さいということは事実だ)
It is wonderful that he loves her.
(彼が彼女を愛しているということは素晴らしい)
to構文との書き換え
that節の中の主語を文全体の主語に格上げすると、to不定詞を使った文に書き換えられる場合があります。
①It seems that he is honest.
②He seems to be honest.
(彼は正直者のようです)
①のthat節の中の主語heを文頭に出したのが②です。意味はほぼ同じになります。
ただし、wish・learn・fearなどは、that節とto不定詞で意味が変わる動詞として有名です。
たとえばlearn that ~は「~だと知る」、learn to ~は「~できるようになる」と、意味がはっきり分かれます。
そっくりな「強調構文」を見分ける方法



強調構文もIt is ~ that ~の形だよね?どう区別するの?



形は似ていても意味は別物です。見分けるカギは「that以下が完全な文かどうか」ですよ。
強調構文とは
強調構文は、伝えたい語句をIt isとthatの間に挟んで、「~こそ…だ」と強調する構文です。
It isとthatの間に入るのは、主語や目的語にあたる名詞、または副詞です。
It was Yoshi that proposed to me last night.
(昨晩プロポーズしてくれた人こそヨシだった)
It is the wife that decides.
(決定する人は、妻だ)
It is Erika who is loved by Yoshi.
(ヨシに愛されている人は、エリカだ)
3つ目の例文のように、強調する語が人の場合は、thatの代わりにwhoもよく使われます。
見分けるポイントは「that以下が完全文かどうか」
名詞を強調する強調構文では、that以下は主語や目的語が抜けた不完全な文になります。
It was Yoshi that proposed to me last night.では、thatの後ろに主語がありません。強調のためにYoshiが前に出ているからです。
一方、形式主語構文のthat以下は、そのまま独立できる完全な文でしたね。
It isの直後が形容詞 → 形式主語構文It isの直後が名詞で、that以下が完全な文 → 形式主語構文It isの直後が名詞で、that以下が不完全な文 → 強調構文
副詞を強調する場合は例外に注意
例外として、副詞や副詞句を強調する場合は、that以下が完全な文のままになります。
It was last night that Yoshi proposed to me.
(ヨシがプロポーズしてくれたのは、昨晩だった)
この文は、It was Yoshi that proposed to me last night.のlast night(副詞句)を、強調の位置に移したものです。
副詞は文の要素として数えないため、that以下は完全な文に見えます。「It isの直後に副詞がきていたら強調構文」と覚えておきましょう。
まとめ|It to構文とIt that構文の使い分け



ここまでお疲れ様でした!最後に、使い分けのポイントを整理しておきましょう。
- It to構文は「
It is+形容詞+to+動詞の原形」で「…することは~だ」 for 人は「人にとって」、of 人は人の性質を表す形容詞とセット- It that構文は、that以下が完全な文で「SがVすることは~だ」
- that以下が不完全な文なら、「~こそ…だ」の強調構文
- 副詞を強調する強調構文だけは、that以下が完全な文になる
構文は、ポイントさえ押さえれば攻略は意外と簡単です。
文法書を読むだけでなく、例文とセットで覚えるのが一番の近道ですよ。ぜひテスト勉強にも役立ててください。
構文の解説記事は他にもあります。あわせてご覧ください。
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