A piece of cakeというイディオムを聞いたことがありますか?
意味は、「朝飯前」。実際に日常英会話で使うことのできるイディオムです。
このような学校では習わないイディオムや英語表現は多くあります。
今回は、「パイ」「ケーキ」の含まれるイディオムをご紹介!
ひとつ知っておくだけでも、別の使い方を見た時にもしかしてこういう意味かな?と予測できるようになるので面白いですよ!
パイやケーキの出てくるイディオムをしっかり覚えるためにも自分で例文を作ったり、英会話レッスンで使ってみてくださいね。
A piece of cakeは英語で「朝飯前」
A piece of cakeは”朝飯前” “めっちゃ簡単”という意味の英語の慣用句。
直訳すると「一切れのケーキ」です。
口語で使えるイディオムなので、ぜひ覚えて気軽に使ってみてください。
一番簡単な使い方は、
例:It’s a piece of cake. (それくらい朝飯前だよ)
何かを難しかったでしょう?と聞かれたときに、全然!余裕だったよ!というニュアンスで使えます。
また
例:Last exam was a piece of cake.(前回の試験はめちゃくちゃ簡単だった)
のように、余裕だったを表現できます。
A piece of cakeの語源 3つの説

語源に関してはいくつか説があります。
ひとつは、1930年代後半の英国空軍。簡単なミッションの事を”as easy as pie”と似たような表現で表したのが始まりです。
もう一つは、アメリカ南部で奴隷制度のあった1870年代で主人の前で奴隷が踊り、一番エレガントなパフォーマンスが出来た人にケーキを褒美として与えていた”ケーキウォーク”が語源だという説。
ケーキを得る簡単な方法だということで”a piece of cake=簡単”という意味になったと言われています。
1936年にアメリカの詩人オグデン・ナッシュの書いた詩の一説からきているのではないかという説もあります。
“Her picture’s in the papers now, And life’s a piece of cake.”
(from Ogden Nash’s book “The Primrose Path”)
ケーキやパイは、主にアメリカ英語で簡単なことを表すときによく使われていますが、これはシェフにとって作るのが簡単だ・人々にとって簡単に食べられるというところからきているのではないか?と言われています。
ケーキとパイを使った英語イディオム
“To take the cake”- ずば抜けている・とても最低だ
例:All the results were really bad, but hers took the cake.(すべての結果は最悪だったけど、彼女の結果は飛びぬけて最悪だった。)
例:That takes the cake.(それは最悪だ)
このイディオムは主に北米で使われています。
しかしイギリスでもto take the biscuitというイディオムでも使われています。
この意味は”ずば抜けている”または”とても最低だ”という意味で、よく皮肉的に使われたり、驚きの表現として使われます。
アメリカ南部のブラックコミュニティで行われていた、ケーキウォークという歩き方を競う大会で、優勝者にケーキが与えられたことが語源となっているといわれていて、ケーキを賞としてダンス大会のために出すことは、古代ギリシャとアイルランドでも習慣となっていました。
“the cherry on the cake”特典、さらなる良いこと
例:For his career, winning the World Cup would be the cherry on the cake.(彼のキャリアにとってワールドカップで勝つことは更なるいいことになるだろう)
今すでにいいことが起きているのに、さらに良い事が起きてもはや完璧になるという意味です。
“cherry on top of the sundae”(サンデーのうえのチェリー)とあらわされることもあります。
“baked in/into the cake”織り込み済みである、想定内である
例:We don’t need to change the schedule, the risk is baked in the cake.(計画を変える必要はない、リスクは織り込み済みだ)
投資家などの間でも使われる金融用語のイディオムでもあり、株価に影響すると思われているものがすでに反映されていることを指します。
別の言い方として”factored into the price of”(~の価格に含まれる)があります。
“To eat humble pie”- 屈辱をうける
例:Park Sae-ro-yi ate humble pie as he was forced to get down on his knees.(パク・セロイは土下座をさせられ屈辱を受けた)
Netflixの梨泰院クラスの主人公が、宿敵となる相手に土下座をさせられたシーンを例文にしてみました。
パイを嫌いな人はいないと見えがちですが、その中で粗末なパイを好む人もいるでしょう。面白いことに、humble(粗末な)という単語は”umble(モツ肉)”という言葉をもじってます。
鹿の心臓、肝臓、内臓のモツを煮る、または猟師の食べ物で上流階級の人々は口にはしない、とBrewer’s Dictionary of Phrase and Fableでは書かれているのです。
それによると、”ご主人様やご主人様の家族は狩りの獲物を高いテーブルで夕食として食べ、猟師とその仲間は低いイスでパイを作っている内臓をみんなで食べている”-なので結果、このTo eat humble pieは”屈辱をうける”や”恥だ”の表現となるのです。
“To go/sell like hot cakes”- 飛ぶように売れる
例: Our products sold like hot cakes!私たちの商品が飛ぶように売れたわ!
もし”ホットケーキのように”なにかが売れたら、それは飛ぶように売れたと言うことになります。そのアイデアの裏には、当然にもホットケーキは人々に愛される代物であり求められているものという考えがあります。
このイディオムは他の言語にも存在し、ドイツ語やフランス語は”warme Semmeln”そして”petit pains”を”売れた”の代わりに使います。スペイン語ではチュロスを売れたという意味になっています。
“A piece of cake”- 朝飯前
例: To build a house is a piece of cake.家を建てることなんて朝飯前さ。
‘A piece of cake’と‘easy as pie’の意味は似て、ほんの朝飯前または簡単に達成できるという意味です。
1936年と1913年に初めてオックスフォード英語辞典に登場しました。
この語源は、ケーキやパイを作ることは食べることよりも簡単だった、という人がいたことからできたので、”朝飯前”という意味になったそうです。
“as sweet/polite/nice as pie”-とても~だ
- as sweet as pie
- as polite as pie
- as nice as pie
“as American as apple pie”-きわめてアメリカ的な・アメリカ独特の
典型的なアメリカっぽさを示すこのイディオムには”Apple pie”という言葉が含まれています。
例:Suing the McDonald’s for burning the mouth is as American as apple pie.(口を火傷してマクドナルドを訴えるなんてきわめてアメリカ的だ)
ジョニーアップルシードという、西部開拓時代多くのリンゴの木を植えた伝説的なこの人物が言葉の語源となっていると言われています。
“pie in the sky”-絵に描いた餅、現実にはあり得ないこと(もの)
例: That’s a pie in the sky situation.-それはありえない状況だ。
その言葉は”The Preacher and the Slave(伝道師と奴隷)”というジョーヒルという労働運動家により書かれた歌からとられています。You will eat, bye and bye,(いつか食べるであろう) In the glorious land above the sky;(比べ物にならない素晴らしい土地で) Work and pray, live on hay,(干し草の上で働いて、願って、生きて) You’ll get pie in the sky when you die.(死んだときにパイを空で手に入れるだろう)
この歌は美徳またはこの世の苦しみのため、天国で褒美を頂こうというもともとの1フレーズからきた、有名な救世軍の歌のパロディです。“Cakes and ale”- 良い時例: It was cakes and ale when we were together.私たちが付き合ってた時は良い時だったね。
“have a finger in the pie”首を突っ込む
日本語にすると「パイに指を突っ込む」なので、ちょっと似ていますね。
例:I told you not to have a finger in the pie.(首を突っ込むなって言ったはずだよ!)
“To have one’s cake and eat it”- 両方一度にはできない、いいとこどりをする
例: Don’t eat snacks if you want to lose your weight. You can’t eat your cake and have it too.もし痩せたないならお菓子は食べちゃだめよ。どっちもいっぺんにはできないわ。
ケーキを持つことと食べることが同時にできれば、それはとても素敵なことですが、悲しいことにそれはほぼこの二つのことをするのは不可能です。
この表現は”両方一度にはできない”というネガティブな意味として使われております。”piece of cake”や”easy as pie”とは逆で、この表現はとても古く、オックスフォード英語辞書にも16世紀に加えられました。
“Cakes and ale”-良い時
この表現はもちろんシェイクスピアの十二夜(1623年)から来ています。
オリヴィアの叔父がマルヴォリオに”いい人になるということはいい人生を送れるということではない。”と訪ねています。
現代の英語では”beer and skittles(気楽な生活)と言われており、スコットランドでは”cake and cheese”とも言われています。
“A piece (or slice) of the pie”-(うまくいきそうな)ビジネスに関わる、お金の分け前
例: The company makes huge profits and the workers want a slice of the pie.
会社は大きな利益を得たので、分け前が社員に分配された。
上記で多くの似ている表現がありましたが、パイはここで好ましいものとして表されている。
‘A piece (or slice) of the pie’はいつも文章の中で、”お金の分け前”または”ビジネスに関わる””利益をシェアする”ことを意味します。
さらに広く言うと”to have a piece of the pie”は”物事にかかわる”という意味でもあります。
オックスフォード英語辞典では、最初のこの意味は1868年に手紙でそれをかいたアメリカ人著者マークトウェインが使ったものだと言われています。
以上、いかがでしたか?パイとケーキにまつわる英語イディオムだけでも、こんなにありましたね!ぜひ英会話で実際に使ってみてください^^