日本ではお馴染の「英検」、基礎的な内容からネイティブ同等のハイレベルな内容まで7つの級が設定されています。一度は受検したことがあるという方も多いのではないでしょうか。
ですが、現在の英検は昔とは大きく異なり、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能化に着目し、2016年に今までになかった級に「話す」「書く」の問題も導入することが発表され、英検も勉強としての英語というより、活きた英語力を試す内容が増えてきています。
今回は、そんな年々受検者も増え、需要の高まりを増す「英検」の各級についてご説明します。
英検1〜5級それぞれの特徴・レベル
英語の基礎を身につけを試す5級・4級・3級
5級:中学校1年生レベル
出題内容は、現在形の肯定文、否定文、疑問文。命令形。現在進行形などがあげられます。文法の基本SVO(主語+動詞+目的語)の肯定、否定、疑問の形をしっかりここで理解しましょう。
4級:中学校2年生レベル
出題内容は、過去形、未来形(will、be going to)の肯定文、否定文、疑問文。命令形。canやhave toなどの助動詞。比較級があげられます。4級から長文問題も出題されます。5級の肝だった基本SVOをベースに過去、未来、助動詞が加わります。
3級 中学校卒業レベル
出題内容は、現在完了形の一連の文法、受身形、使役系、so that, too to構文など。熟語をどれだけ覚えられるかもカギになります。
また、3級からは面接が必須になるのも大きな特徴です。英語で面接をすると思うと緊張するかもしれませんが、聞かれる内容も中学卒業レベルが身についていれば返せる内容ですので、落ち着いて回答すればOKです。
センター試験と問題傾向が似ている準2級・2級
準2級:高校の標準英語レベル
新しい内容の文法はほとんどないですが、今まで習った文法を基にした応用が出ます。ここでも熟語をどれだけ覚えられるかがカギとなります。長文問題では、わざと準2級以上のレベルの単語をキーワードに含み、他の文で内容を把握すれば理解できるというようにトリッキーな長文問題も出てきます。
2級:高校卒業レベル
読解力、語彙力の順で合格のカギとなります。選択肢にある単語の意味や空欄箇所と前後に合う熟語をわかっても文章全体を理解して答えを選ばないと間違うように作られている問題が頻出されます。
品格あるTPOも意識した英語使用を求める準1級・1級
準1級:英語環境にいても日常では不具合はほぼ生じないレベル
一般常識、義務教育の中で学ぶ一般知識をベースの問題になっているので、英語がわかっても一般知識がないと解けない問題が出題されます。日常生活の中で適切な応対を選ぶ問題では、英語のやりとりとしては合っているが、適切な回答ではないからはずれというトリッキーな内容も出題されます。
1級:ネイティブレベル
語彙力が重要なカギとなります。日常で使わない英字新聞にでてくるような単語が多く出てくるので、選択肢に出てくる単語の難易度はとても高いです。長文はTOEIC900点以上を目指す参考書のレベルと同一くらいになります。
英検の各級の特徴まとめ
習得目標 級 推奨目安 出題目安 出題形式 使える英語の登竜門
- 基礎力定着
- 高校入試レベル
5級 中学初級程度 英語を習い始めた方の最初の目標。
家族のこと、趣味やスポーツなど身近な話題が出題されます。
英語の基礎固めに最適です。
スピーキングテストも受験可能です。
録音形式のスピーキングテスト
4級 中学中級程度 出題形式や内容が、より実用的に。
身近なトピックを題材とした読解問題が加わります。
基礎力をぐんぐん伸ばしていきましょう。
スピーキングテストも受験可能です。
録音形式のスピーキングテスト
3級 中学卒業程度 二次試験でスピーキングテスト。英語で考えを伝えましょう。
筆記試験の題材は、海外の文化など少し視野が広がります。
中学卒業段階の英語力の達成目標:3級(文部科学省)
使える英語で世界へ
- 大学入試レベル
- 2級から海外留学
- 履歴書で評価される
準2級 高校中級程度 教育や科学などを題材とした、長文の穴埋め問題が加わります。
センター試験の問題形式と共通点が多く、入試対策にも最適。
高校卒業段階の英語力の達成目標:準2級~2級(文部科学省)
2級 高校卒業程度 医療やテクノロジーなど社会性のある英文読解も出題されます。
海外留学、国内での入試優遇・単位認定など、コミュニケーション力が高く評価されます。
ビジネスシーンでも採用試験の履歴書などで英語力をアピールできます。
ライティングが加わります。
リーダー(品格)の英語
- ライティング、スピーキングを含む4技能の総合力を測定
準1級 大学中級程度 エッセイ形式の実践的な英作文の問題が出題されます。
「実際に使える英語力」の証明として高く評価されています。
1級 大学上級程度 二次試験では2分間のスピーチと、その内容への質問がなされます。
カギは英語の知識のみでなく、相手に伝える発信力と対応力。
世界で活躍できる人材の英語力を証明します。
※英検公式サイトより抜粋
各級に合格できる点数の目安
過去の英検は一次試験は全体の7割がボーダーと言われていましたが、今の英検はそうではなく、リーディング・リスニング・ライティングの3技能(4級以下はリーディングとリスニングの2技能)の各技能スコアの合算で合否が判断されます。
また、二次試験ではスピーキングテストまたは面接のスコアのみで合否が出ます。
毎回この点数を取れば合格!というラインが一定ではないのですが、目安としてこれくらいの点数であれば合格するであろうという目安がこちらになります。
一次試験に合格できる点数目安
級 | 満点 | 合格点数 |
5級 | 850 | 420 |
4級 | 1000 | 620 |
3級 | 1650 | 1100 |
準2級 | 1800 | 1320 |
2級 | 1950 | 1520 |
準1級 | 2250 | 1790 |
1級 | 2550 | 2028 |
二次試験に合格できる点数目安
級 | 満点 | 合格点数 |
5級 | 425 | 不明 |
4級 | 500 | 不明 |
3級 | 550 | 350 |
準2級 | 600 | 410 |
2級 | 650 | 460 |
準1級 | 750 | 510 |
1級 | 850 | 600 |
※英検公式サイトより
英検も"活きた英語力"を意識した試験内容へと変化
かつては、5級~2級においては中学、高校で学ぶ内容にほぼ沿っており、マークシートなので、シンプルな試験でした。
ですが、近年、日本の英語教育の見直し、グローバル化に伴い、「読む」「聞く」に重点を置いていたのが、「読む」「聞く」「話す」「書く」と4技能をバランスよく、英語力をつけて、机上だけではない、より活きた英語力を養う試験内容に変化しています。
すべての級で筆記試験だけでなく、面接または録音形式のスピーキングテストが必須になっています。
5〜4級 |
録音形式スピーキングテスト |
3〜1級 |
面接官と1対1の面接 |
TOEICのようにリスニングとリーディング問題だけで終わることがないので、よりコミュニケーションに役立つ英語を身に着けているかどうかが大事になってきます。
高校・大学入試でも英検を活用する大学が増加中!
学生の方には英検の級によっては高校、大学入試で優遇されるので受検を強くお勧めします。英語力の証明だけでなく、入試の学科試験免除、入学金・授業料免除や英語科目の単位認定など、 さまざまな優遇措置を受けられます。
英検は1回しか受けられない入試とは違い何度でも受けられるので、事前にしっかり準備することができますので単純に有利ですね。英語が苦手な人ほど、英検であらかじめ英語力を証明しておくと有利に働くでしょう。
また、大人になって改めて英語を勉強する方も意外と基本的な文法を忘れているけど、それに気づかず、レベルに合っていない勉強をされている方がいるように感じます。大人になって改めて英語の勉強を始める方は、記憶を思い出すために、まずは学校の勉強に沿った英検を受けて基礎固めをするのはいかがでしょうか。
大学入試での入試優遇・単位認定校の例
- 国際教養大学
- 千葉大学
- お茶の水女子大学
- 亜細亜大学
- 一橋大学
- 学習院大学
- 国際基督教大学
- 首都大学東京
- 上智大学
- 青山学院大学
- 中央大学
- 津田塾大学
- 東京海洋大学
- 東京基督教大学
- 東京大学
その他、優遇している高校・大学は英検公式サイトから確認できます。
英検対策におすすめな問題集・オンライン英会話まとめ
英検対策におすすめな問題集&参考書
英検も、やはり合格への近道は過去問対策です。英検が公式で販売している過去問が各級で入手可能なので、ここから対策をスタートするのが良いでしょう。
5級
4級
3級
旺文社
売り上げランキング: 826
準2級
旺文社
売り上げランキング: 298
2級
旺文社
売り上げランキング: 636
準1級
旺文社
売り上げランキング: 1,714
1級
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売り上げランキング: 2,641
英検を運営する旺文社の『英検ネットドリル』もおすすめ
旺文社が提供する、オンラインで学べる『英検ネットドリル』を利用するのもおすすめです。和訳のワンクリック表示はもちろん、発音及び聴解問題のワンクリック視聴、演習問題の自動正誤判定、解答・解説の自動表示など、CDを聴いたり、解答・解説集を見る手間が省けます。
さらに、意味の解らない単語にカーソルを当てると英単語の意味が表示される辞書機能、一度間違えた問題を効率よく復習できる弱点チェックなど機能も充実していて、これ一つでしっかりと学べるネット教材です。
英検対策におすすめなオンライン英会話サービス『ベストティーチャー』
ベストティーチャーは英語4技能を総合的に学べるオンライン英会話です。ベストティーチャーの特徴は、4技能試験対策コースを出版社・試験運営団体と提携し全7つのコースを揃えている点です。
2020年の英語教育改革に向けて英語を話す・書く対策のニーズは高まっていますが、日本人が英語が話せない問題は、大学入試にスピーキングとライティングを含む4技能試験を出題されることです。そのため、英検などを利用して小中高の英語教育を変える動きが主流になっています。
ベストティーチャーの英検対策コースは:月額16,200円(税込)で本格的な対策レッスンを受けられます。独学では学びにくいという人はベストティーチャーで読む・書く・話す・聞くの英語4技能の対策をして準備しておくことをおすすめします。
英検の申込方法
インターネット、コンビニ、特約書店にて申し込み可能です。
方法1:インターネット
英検IDをお持ちでない場合は、英語学習応援サイト「英ナビ!」ウェブサイト、または「英検クイック申し込み」で個人情報を入力して取得していただき、申し込み手続きに進みます。
方法2:コンビニ
お申し込み・お支払いがコンビニエンスストア(ローソン・ミニストップ・セブン–イレブン・ファミリーマート・サークルK・サンクス)の情報端末機で申込期間中24時間いつでもできます。店頭の情報端末にて必要情報を入力し、出力される「申込券」を持って、30分以内にレジにてお支払いください。
方法3:特約書店
蔦屋書店などで願書をお求めいただき、願書に記入して郵送します。各申込方法の詳しい内容は、日本語英語検定公式サイトで確認できます。
おわりに:プロが選ぶ英語学習おすすめ教材
こちらの記事では、英語学習が効果的にできる英語のプロが厳選したおすすめアプリをまとめています。英会話の勉強をされる方におすすめです。
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