ゼロから英語の学習を始めて一年未満の方は、是非、「日本英語検定五級」に挑戦してみましょう。英語を学習している小学生にお勧めの試験です。2015年度より導入された五級のスピーキングテストの日頃の勉強法、対策、練習問題をご紹介します。
目次
英検五級のスピーキングテストって?
2016年より、英検五級の一次試験(筆記・リスニング)の合否に関係なく、申込者全員にスピーキングテストが実施されています。コンピュータ端末を活用した録音形式で、自宅や学校のパソコン、タブレットから、インターネット上のスピーキングテストサイトにアクセスして受験します。受験日の指定はなく、期間は1年間有効ですから、時間的、地理的制約は無く、いつでもどこからでも受験可能です。 級認定は従来どおり、一次試験(筆記・リスニング)の結果で合否が判定され、スピーキングテストの結果は、級認定とは別に、「五級スピーキングテスト」の合否として判定されます。
合格判定方法と、スピーキングテストの重要性
統計的に算出される「英検CSEスコア」によって合否が判定されます。
「英検CSEスコア」は、国際標準規格「CEFR(Common European Framework of Reference for Languages の略)」という、語学のコミュニケーション能力別のレベルを示す国際標準規格に対応しています。欧米で幅広く導入され、6つのレベルが設定されています。CSEという新たな指標により、国際社会の中で使える英語の学習をする上で必要なポイントを把握しやすくなり、明確な目標とステップアップへのモチベーション、学習の効率化をもたらしてくれます。
五級のスピーキングテストは、これから「使える英語」の基礎となる中学一年生で習うレベルの英語が実際に使えるかどうかを判定します。スピーキングテストは暗記だけでは対応できません。普段からしっかり練習しておきましょう。スピーキングテストの対策をする事で、英会話力のアップにも繋がりますよ。
英検五級のスピーキングテストの問題形式
英文とイラストが画面上に表示されます。指示に従い、20秒で黙読します。黙読後、指示に従い、タイトルから音読します。分からない単語があっても慌てずに、発音を推測して読みましょう。その後、質問が音声で流れてきます。音声で読まれる質問は画面上に表示されませんので、しっかり聞きましょう。一問目と二問目は、音読した英文と、画面上に出ているイラストを見て答えましょう。三問目は自分の事について聞かれます。日常生活の身近な事柄についての質問に答える問題で、音読したパッセージのトピックに直接関連しない内容の可能性もあります。
英検五級のスピーキングテストの問題例
Julia is 3 years old. She loves her dog. The dog's name is Fido. He is a black dog. He is a year old. They play together every day.
(ジュリアは3歳です。彼女はペットの犬が大好きです。その犬の名前はファイドです。彼は黒い犬です。彼は一歳です。彼らは毎日一緒に遊びます。)
- Q1. Please look at the passage. How old is Julia? (パッセージを見て下さい。ジュリアは何歳ですか?)
- A: She is 3 years old. (彼女は三歳です。)
- Q2. What color is Fido? (ファイドは何色ですか?)
- A: He is black. (彼は黒いです。)
- Q3. What animals do you like? (あなたは何の動物が好きですか?)
- A: I like cats. (ネコが好きです。)
音読のポイント
英語は、言いたい事の内容を含む単語、内容を理解するために大切な単語を強く読み、冠詞や前置詞など、文を作るために機能的に使われている単語は弱く読まれます。その英語のリズムを意識して読みましょう。普段から音読をする際に強弱を意識して読むと良いです。この例文の場合、以下の太字の部分を強く、その他を弱く読む事を意識して読んでみましょう。
Julia is 3 years old. She loves her dog. The dog's name is Fido. He is a black dog. He is a year old. They play together every day.
どこを強く読むかというのは、その時何を言いたいかにもよりますので、これだけが正解な訳ではないですが、基本はこれらの語彙を強く読みます。上記の太字の部分は、パッセージの内容を含む語彙となっています。これらを「内容語」と言い、それ以外の、文法上の機能を果たすために使われているものを「機能語」と言います。英語では、「内容語」を強く読み、「機能語」を弱く、そして早めのピッチで読みます。用語を覚える必要はありませんが、リズムはしっかりと練習しましょう。
スピーキングテストでは、リズムや発音も見られますので、普段から音読をして、リズムや発音もしっかり練習する習慣をつける必要があります。英語初心者の段階でこのリズムをしっかりと身に着けておけば、後々の英語学習もしやすくなりますよ。
英検五級のスピーキングテストの回答ポイント3つ
1. 単語だけで答えない
上記の例題のQ1の質問と答えを見て下さい。質問は‟How old is Julia?(ジュリアは何歳ですか?)”で、それに対して、‟She is 3 years old. (彼女は3歳です。)”という答えになっていますね。この時、しっかり文で答え、“Three.”と単語だけで答えない様にしましょう。
2. 代名詞を使って答える
例文のQ2の答えを見て下さい。“What color is Fido?(ファイドは何色ですか?)”という質問に対して、 ‟He is black.(彼は黒いです。)”と答えていますね。本文分に‟The dog's name is Fido. He is a black dog. (その犬の名前はファイドです。彼は黒い犬です。)”とありますので、犬の名前ファイドで、「彼」と言っているので、その犬は雄である事が分かります。ですから、‟Fido is black.(ファイドは黒いです。)”ではなく、代名詞heを使って‟He is black. (彼は黒いです。)”と答えましょう。この問題の場合は、人ではなく犬ですので、‟It's black. (それは黒いです。)”と答える事も出来ます。名詞などを繰り返して言わず、代名詞を使ってしっかり答える事で、より英語らしい英語になりますよ。
3. 冠詞や数に注意する
例文のQ3を見て下さい。“What animals do you like? (あなたは何の動物が好きですか?)”という質問に対し、“I like cats. (ネコが好きです。)”と答えていますね。ネコは可算名詞、つまり数えられる名詞です。ネコ一匹ではなく、「そのネコ」でもなく、ネコ全体が好きなので、複数形にしましょう。複数形なのか、aやanがつくのか、不可算名詞(数えられない名詞)なのかを常に意識しましょう。今度こそ苦手の冠詞を克服!例“”文でわかる使い分けと英語の数の感覚の記事も参考にして下さい。
英検五級のスピーキングテスト普段の勉強法
英検五級のスピーキングテスト対策用のテキストは、残念ながらほとんどない様です。かろうじてあるのが過去問なのですが、過去問の問題集には、サンプルしか掲載されていません。しかし、英検五級のスピーキングでは、難しい事(社会問題について等)を問われる事はありませんので、普段から学んでいる事がしっかり言葉で言える能力がついていれば大丈夫です。先程の音読のポイントと質問に答える際のポイントに注意して、サンプル問題で練習してみましょう。
英検五級のスピーキングテストのオリジナル練習問題
英検五級のスピーキングテストの練習問題①
Ken is 7 years old. He has a bike. His bike is red. He likes it very much. He goes to the park by bike.
- Q1. Please look at the passage. How old is Ken?
- Q2. What does he like?
- Q3. What is your favorite color?
英検五級のスピーキングテストの練習問題②
Mike has a brother. His name is John. Mike is 7 years old. John is 5 years old. Mike likes swimming. John likes swimming, too.
- Q1. What is Mike's brother's name?
- Q2. What do they like to do?
- Q3. What is your hobby?
英検五級のスピーキングテストの練習問題③
Meg helps her mother and father every day. They are in the kitchen now. They are making cookies. Meg likes cookies very much.
- Q1. Where are they now?
- Q2. What are they doing now?
- Q3. What do you usually eat for breakfast?
解答例と解説
英検五級のスピーキングテストの練習問題①
Ken is 7 years old. He has a bike. His bike is red. It's his favorite color. He goes to the park by bike. (ケンは7歳です。彼は自転車を持っています。彼の自転車は赤いです。赤は彼の好きな色です。彼は自転車で公園に行きます。)
音読は、太字の部分を強く読みましょう。
- Q1. Please look at the passage. How old is Ken?(パッセージを見て下さい。ケンは何歳ですか?
- A. He is 7 years old. (彼は7歳です。)
この場合、答え方はこの一つしかありません。“Ken is 7 year old.(ケンは7歳です。)”と言わず、代名詞を使って“He is 7 years old.(彼は7歳です。)”と答えましょう。
- Q2. What color does he like?(彼は何色が好きですか?)
- 解答例1. He likes red. (彼は赤が好きです。)
- 解答例2. Red is his favorite color. (赤が彼の好きな色です。)
- 解答例3. His favorite color is red. (彼の好きな色は赤です。)
パッセージ中に“His bike is red. It's his favorite color.(彼の自転車は赤いです。それは彼の好きな色です。)”とありますから、彼が好きな色は赤だという事が分かりますね。考えられる答え方は三通りあります。「何色が好きなのか」を聞いているので、シンプルに“He likes red.(彼は赤が好きです。)”と言うか、または「好きな色」という意味の“favorite color”を用いて、"Red is his favorite color.(赤が彼の好きな色です。)” “His favorite color is red. (彼の好きな色は赤です。)"と答えられます。また、“He likes red.”という場合は、三単現のsを忘れない様にしましょう。
- Q3. What is your favorite color?(あなたの好きな色は何ですか?)
- 解答例1. It's green. (緑です。)
- 解答例2. I like green. (緑が好きです。)
- 解答例3. My favorite color is green. (私の好きな色は緑です。)
三問目は自分の事について聞かれます。好きな色を聞かれていますね。 “I like~.(~が好きです。)”や “My favorite ___ is ____.(好きな__は__です。)”というフレーズは、英会話初心者が英語での自己紹介等で最初に学ぶフレーズの中の一つです。しっかり言える様にしましょう。
英検五級のスピーキングテストの練習問題②
Mike has a brother. His name is John. Mike is 7 years old. John is 5 years old. Mike likes swimming. John likes swimming, too. (マイクには弟がいます。彼の名前はジョンです。マイクは7歳です。ジョンは5歳です。マイクは水泳が好きです。ジョンも水泳が好きです。)
- Q1. What is Mike's brother's name? (マイクの弟の名前は何ですか?)
- A. His name is John. (彼の名前はジョンです。)
パッセージの最初の部分に、 “Mike has a brother. His name is John.(マイクには弟がいます。彼の名前はジョンです。)”とあり、マイクの弟の名前はジョンだと分かりますね。“Mike's brother's name is John.(マイクの弟の名前はジョンです。)”とせず、代名詞を使って、“His name is John.”と答えましょう。
- Q2. What do they like to do?(彼らは何をする事が好きですか?)
- 解答例1. They like swimming. (彼らは水泳が好きです。)
- 解答例2. They like to swim. (彼らは泳ぐ事が好きです。)
パッセージの最後の部分に、 “Mike likes swimming. John likes swimming, too. (ジョンは5歳です。マイクは水泳が好きです。ジョンも水泳が好きです。)”とありますね。二人とも泳ぐ事が好きという事が分かりますので、その様に答えましょう。「~する事が好き」という言い方には二通りあります。「like _ing(動詞にingをつけたもの)」を使うか、「like to 動詞原型」かです。どちらでもOKです。
- Q3. What is your hobby?(あなたの趣味は何ですか?)
- 解答例1. I like dancing. (ダンスが好きです。)
- 解答例2. My hobby is dancing. (趣味はダンスです。)
三問目は自分の事について聞かれます。今度は自分の趣味を聞かれていますね。 “I like ___.(~が好きです。)”と答えても良いし、“My hobby is __ing. (私の趣味は~する事です。)”と答えてもOKです。自分の事はしっかり英語で言える様に練習しておきましょう。
英検五級のスピーキングテストの練習問題③
Meg helps her mother and father every day. They are in the kitchen now. They are making cookies. Meg likes cookies very much. (メグは母と父の手伝いを毎日します。彼らは今台所にいます。彼らはクッキーを作っています。メグはクッキーが大好きです。)
- Q1. Where are they now? (彼らは今どこにいますか?
- 解答例1. They are in the kitchen now. (彼らは今台所にいます。)
- 解答例2. They are in the kitchen. (彼らは台所にいます。)
パッセージ中で“They are in the kitchen now. (彼らは今キッチンにいます。)”と言っています。その文をそっくりそのまま使って答えても良いし、now(今)を抜かして答えてもOKです。
- Q2. What are they doing now?(彼らは今何をしていますか?)
- 解答例1. They are making cookies. (彼らはクッキーを作っています。)
- 解答例2. They are making cookies now.(彼らは今クッキーを作っています。)
- 解答例3. They are baking. (彼らはお菓子作りをしています。)
パッセージ中で“They are making cookies. (彼らはクッキーを作っています。)”と言っていますので、それをそのまま答えても大丈夫ですし、nowを付けて答えても構いません。また、baking(お菓子やパンなどをオーブンで焼いて作る事)という単語を知っていれば、それを使って答えても構いません。同じ意味であればパッセージ本文中に出てきた言葉を使わなくても全く問題はありません。
- Q3. What do you usually eat for breakfast?(あなたは普段朝食に何を食べていますか?)
- 解答例1. I usually eat toast. (私は通常トーストを食べます。)
- 解答例2. I usually have toast and milk. (私は通常トーストと牛乳を頂きます。)
- 解答例3. I usually eat toast and drink milk. (私は通常トーストを食べて牛乳を飲みます。)
質問は“What do you usually eat for breakfast? (あなたは普段朝食に何を食べていますか?)”となっていますので、一番シンプルな答え方は、“I usually eat __.(私は通常~を食べます。)”という答え方です。しかし、気を付けたい点が一つあります。例えば、「トーストと牛乳」の場合、“I usually eat toast and milk.”だと間違いになってしまいます。食べ物だけの場合はeatでOKですが、飲み物も入れる場合は、飲み物にはdrinkを使うか、または飲み物食べ物どちらにも使えるhaveを用いて答えましょう。また、スープ系はdrinkは使えませんので注意しましょう。以下の様に、eatかhaveを使います。
- I usually eat rice and miso soup. (私は通常ご飯とみそ汁を食べます。)
- I usually have rice and miso soup. (私は通常ご飯とみそ汁を食べます。)
英語学習の土台を英検五級の勉強で身につけよう
英検五級は、これからの英語学習の土台となる英語力を判定する試験です。特に、スピーキングテストでは、身の回りの英語、自分の事が「言えるかどうか」が問われます。このレベルの勉強を疎かにすると後々苦労しますので、この土台作りの段階でしっかり練習し、自信を持って英検五級の試験を受けられる様にしましょう。スピーキングテストは自宅や学校で受けられるため、しっかり練習しておけば、あまり緊張もしなくなるので、ぜひ一緒にお子さんの練習に付き合ってあげてくださいね。
英検対策におすすめな問題集・オンライン英会話まとめ
英検対策におすすめな問題集&参考書
英検も、やはり合格への近道は過去問対策です。英検が公式で販売している過去問が各級で入手可能なので、ここから対策をスタートするのが良いでしょう。
5級
4級
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2020年の英語教育改革に向けて英語を話す・書く対策のニーズは高まっていますが、日本人が英語が話せない問題は、大学入試にスピーキングとライティングを含む4技能試験を出題されることです。そのため、英検などを利用して小中高の英語教育を変える動きが主流になっています。
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